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個人事業主が開業後にやること一覧|税務署への届出から帳簿の準備まで
個人事業主として独立・開業したら、さまざまな手続きが必要です。「何から始めればいいかわからない」という方のために、開業後にやるべきことをまとめました。
※本記事は2026年8月時点の法令等に基づいています。
開業直後にやること(優先度:高)
□ 開業届を提出する
「個人事業の開業・廃業等届出書」を納税地の税務署に提出します。提出期限は開業した年分の確定申告期限までです(国税庁 個人事業の開業届出・廃業届出等手続)。提出しなくても罰則はありませんが、青色申告の申請や屋号付き口座の開設に必要なため、開業したら早めに提出しておくと後の手続きがスムーズです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提出先 | 納税地(住所地)の税務署 |
| 提出期限 | 開業した年分の確定申告期限まで |
| 提出方法 | 窓口持参・郵送・e-Tax |
□ 青色申告承認申請書を提出する
青色申告をするには、「所得税の青色申告承認申請書」を提出する必要があります。開業届と同時に提出するのがおすすめです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提出期限 | 青色申告書による申告をしようとする年の3月15日まで(国税庁 所得税の青色申告承認申請手続)。(その年の1月16日以後、新たに事業を開始したり不動産の貸付けをした場合には、その事業開始等の日(非居住者の場合には事業を国内において開始した日)から2月以内。) |
| 注意点 | 期限を過ぎると翌年分からの適用になる |
開業届・青色申告承認申請書の提出手順については「開業届と青色申告承認申請書の出し方」を参照してください。
□ 健康保険・年金を切り替える
会社員を辞めて独立した場合、退職日の翌日から社会保険の資格を失います。国民健康保険と国民年金は、退職日の翌日から14日以内に切り替え手続きが必要です。
| 手続き | 内容 | 窓口 |
|---|---|---|
| 国民健康保険 | 加入手続き(退職日の翌日から14日以内) | 市区町村の窓口 |
| 健康保険の任意継続 | 退職日の翌日から20日以内に申請 | 協会けんぽ支部(健保組合の場合は組合) |
| 年金 | 国民年金第1号への種別変更(退職日の翌日から14日以内。日本年金機構 会社を退職した時の国民年金の手続き) | 市区町村の窓口 |
国民健康保険料は前年の所得をもとに計算されます。開業初年度は収入が不安定なことも多いため、保険料の支払いスケジュールを確認しておきましょう。
開業後なるべく早くやること
□ 事業用の銀行口座を開設する
プライベートと事業のお金を分けるため、事業専用の口座を開設します。混在させると帳簿管理が複雑になり、税務調査時にも説明が難しくなります。
屋号付き口座(「○○事務所」名義)を開設すると取引先への信頼性が高まりますが、個人名義の専用口座でも問題ありません。銀行によっては屋号付き口座の開設に開業届の写しが必要です。
□ 事業用のクレジットカードを作る
経費の支払いをまとめるため、事業専用のクレジットカードを作ることをおすすめします。明細が一覧で確認でき、会計ソフトと連携すれば仕訳の手間が大幅に減ります。
□ 会計ソフトを導入・初期設定をする
青色申告には複式簿記での記帳が必要です。開業と同時に会計ソフトを導入し、期首残高の設定から始めるのが重要です。途中から導入すると過去分の入力が必要になります。
設定すべき初期項目:
- 事業者情報(氏名・屋号・住所)
- 事業年度(1月1日〜12月31日)
- 期首残高(開業時の現金・預金残高)
- 口座連携の設定(銀行・クレジットカード)
青色会計は個人事業主向けのクラウド会計ソフトです。開業初日から始められるシンプルな設計です。
状況によって必要な手続き
インボイス登録(取引先から求められる場合)
取引先が課税事業者で、インボイス(適格請求書)の発行を求められる場合は、適格請求書発行事業者の登録申請が必要です。
- 登録すると:消費税の申告・納付義務が発生する
- 登録しないと:インボイスを発行できず、取引先の仕入税額控除に影響する場合がある(国税庁 インボイス制度の概要)
インボイス制度の詳細は「個人事業主の消費税とインボイス制度の基本」を参照してください。
従業員を雇う場合
従業員を雇う場合は追加の手続きが必要です。
| 手続き | 届出先 |
|---|---|
| 労働保険の加入 | 労働基準監督署 |
| 雇用保険の加入 | ハローワーク |
| 給与支払事務所等の開設届(開設から1ヶ月以内。国税庁 給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出) | 税務署 |
開業後の年間スケジュール
| 時期 | やること |
|---|---|
| 随時 | 取引のたびに帳簿に記録(領収書・請求書の保管) |
| 毎月 | 通帳残高と帳簿の照合 |
| 1月 | 前年分の帳簿の締め・減価償却費の計上・決算作業 |
| 2〜3月 | 確定申告(青色申告決算書+確定申告書の提出) |
| 3月15日 | 所得税の納付期限 |
| 6月 | 住民税の納付開始(前年分。年4回) |
| 8月・11月 | 個人事業税の納付(前年分) |
まとめ
- 開業後はまず開業届と青色申告承認申請書を同時に提出する(開業から2ヶ月以内)
- 国民健康保険・国民年金への切り替えは退職日の翌日から14日以内(健康保険の任意継続は20日以内)
- 事業用口座・カードを早めに分けることで帳簿管理が楽になる
- 会計ソフトは開業初日から導入・初期設定まで済ませておくのが理想
- インボイス登録は取引先の状況を確認してから判断する
本コラムは一般的な情報提供を目的としています。個別の手続きについては税務署・市区町村窓口にご確認ください。