Skip to content

フリーランスがよく使う経費の仕訳例まとめ

仕訳で迷いやすいのが「どの勘定科目を使うか」と「貸方に何を入れるか」です。この記事では、フリーランス・個人事業主がよく遭遇する経費の仕訳パターンを、支払い手段ごとに整理してまとめます。

※本記事は2026年8月時点の法令等に基づいています。

仕訳の基本構造

経費を計上するときの仕訳は、基本的に次のパターンになります。

支払い手段借方貸方
現金払い経費科目現金
口座振替・振込経費科目普通預金
クレジットカード経費科目未払金
プライベートのお金で支払い経費科目事業主借

旅費交通費

移動に関する費用は「旅費交通費」を使います。

電車・バス(IC カード)

Suica などの IC カードにチャージして交通費を支払う場合、チャージ時ではなく使用時(乗車時)に経費計上するのが正確です。ただし実務上は、チャージ時にまとめて計上するケースも多くあります。

チャージ時(現金から):

借方金額貸方金額
旅費交通費3,000円現金3,000円

タクシー(現金払い)

深夜の打ち合わせ帰りにタクシーで2,000円支払った場合:

借方金額貸方金額
旅費交通費2,000円現金2,000円

新幹線・飛行機(事業用口座振替)

出張で新幹線を利用し、口座から25,000円が引き落とされた場合:

借方金額貸方金額
旅費交通費25,000円普通預金25,000円

通信費

インターネット・携帯電話・郵便など通信に関する費用は「通信費」を使います。

スマートフォンの月額料金(按分あり)

月額8,000円のプランを事業60%・プライベート40%で按分する場合:

借方金額貸方金額
通信費4,800円普通預金8,000円
事業主貸3,200円

クラウドサービスの月額料金

会計ソフト・ストレージ・プロジェクト管理ツールなど:

借方金額貸方金額
通信費2,000円普通預金2,000円

クラウドサービスは「通信費」でも「支払手数料」でも問題ありません。一度決めたら一貫した科目を使い続けることが重要です。

外注費

他のフリーランスや業者に業務を依頼したときは「外注費」を使います。

外注先へ振り込んだ場合

デザイナーに業務委託して50,000円を振り込んだ場合:

借方金額貸方金額
外注費50,000円普通預金50,000円

源泉徴収が必要な外注費(個人への支払い)

個人のデザイナーへの報酬50,000円から源泉税5,105円を差し引いて支払う場合:

借方金額貸方金額
外注費50,000円普通預金44,895円
預り金(源泉税)5,105円

差し引いた源泉税は「預り金」として計上し、翌月10日までに納付します(デザイナー報酬など報酬に対する源泉税には、給与のような納期の特例はありません)。

なお、従業員や専従者に給与を支払っていない個人事業主は源泉徴収義務者に当たらないため、源泉徴収は不要です(国税庁 No.2502)。

消耗品費・備品費

10万円未満のものを購入した場合は「消耗品費」として全額その年の経費にできます。

文房具・事務用品(現金払い)

ボールペンや用紙などを1,000円分購入した場合:

借方金額貸方金額
消耗品費1,000円現金1,000円

10万円未満のパソコン周辺機器

キーボードを8,000円で購入した場合:

借方金額貸方金額
消耗品費8,000円普通預金8,000円

少額減価償却資産の特例(30万円未満)

青色申告者は取得価額30万円未満(令和8年度税制改正により、2026年4月1日以後に取得した資産は40万円未満)の資産を全額その年の経費にできます(年間上限300万円)。15万円のカメラを購入した場合:

借方金額貸方金額
消耗品費150,000円普通預金150,000円

地代家賃

自宅を仕事場として使っている場合は家事按分して計上します。

家賃の按分(事業用50%)

家賃100,000円のうち事業用割合を50%とする場合:

借方金額貸方金額
地代家賃50,000円普通預金100,000円
事業主貸50,000円

按分割合は面積・使用時間などの合理的な根拠を記録として残しておきます。

接待交際費

取引先との打ち合わせや会食に要した費用は「接待交際費」を使います。

打ち合わせランチ(現金払い)

取引先2名とのランチ代6,000円を現金で支払った場合:

借方金額貸方金額
接待交際費6,000円現金6,000円

摘要に「取引先名・人数・目的」を記録しておくと、税務調査時の根拠として有効です。

一人での打ち合わせ費用

一人でカフェで作業した場合は「接待交際費」ではなく「会議費」や「旅費交通費」が妥当です(一人飲食は接待費として認められにくい場合があります)。

図書費・新聞代

業務に関連する書籍・雑誌・電子書籍は「新聞図書費」(または「図書費」)を使います。

専門書の購入

税務関連の専門書を3,500円で購入した場合:

借方金額貸方金額
新聞図書費3,500円現金3,500円

電子書籍・オンライン学習サービス

借方金額貸方金額
新聞図書費1,500円普通預金1,500円

保険料

事業に関連する損害保険(賠償責任保険・火災保険の事業割合分など)は「保険料」を使います。

フリーランス向け賠償責任保険

年払いで24,000円を口座から支払った場合:

借方金額貸方金額
保険料24,000円普通預金24,000円

生命保険料・国民健康保険料・国民年金は事業経費ではなく「所得控除」として確定申告で別途処理します。

水道光熱費

自宅兼事務所の水道・電気・ガスは家事按分して計上します。

電気代(事業割合30%)

月の電気代15,000円のうち30%を事業用とする場合:

借方金額貸方金額
水道光熱費4,500円普通預金15,000円
事業主貸10,500円

支払手数料

銀行振込手数料・決済サービス手数料・士業への報酬などは「支払手数料」を使います。

銀行振込手数料

借方金額貸方金額
支払手数料330円普通預金330円

税理士・社労士への顧問料

借方金額貸方金額
支払手数料20,000円普通預金20,000円

雑費

どの科目にも当てはまらない少額の支出は「雑費」を使います。

借方金額貸方金額
雑費500円現金500円

雑費は金額が大きくなりすぎると税務調査で問われることがあります。頻繁に発生するものはなるべく適切な科目を使いましょう。

勘定科目の選び方のポイント

同じ支出でも科目が変わることがある

たとえばインターネット料金は「通信費」が一般的ですが、「支払手数料」としても認められます。重要なのは一度決めた科目を一貫して使い続けることです。毎月変えると帳簿の比較が難しくなります。

プライベートと事業の按分

家賃・光熱費・通信費など、プライベートと事業で共用するものは按分が必要です。プライベート分は「事業主貸」で処理します。

領収書・明細の保管

仕訳した経費は7年間(青色申告の場合)領収書・レシートの保管が義務づけられています。電子保存(スキャン)も電子帳簿保存法の要件を満たせば認められます。

まとめ

科目主な用途
旅費交通費電車・タクシー・新幹線・駐車場
通信費インターネット・携帯・クラウドサービス
外注費業務委託・フリーランスへの支払い
消耗品費10万円未満の備品・文房具
地代家賃事務所・自宅兼事務所の按分分
接待交際費取引先との会食・贈り物
新聞図書費専門書・電子書籍・学習サービス
保険料業務関連の損害保険
水道光熱費事業按分した電気・ガス・水道
支払手数料振込手数料・士業報酬
雑費少額・他に分類できないもの

青色会計では勘定科目の選択・按分処理をサポートしています。仕訳テンプレート機能で毎月の定型経費の入力を省力化できます。


本コラムは一般的な情報提供を目的としています。個別の税務判断については税理士にご相談ください。

青色申告を、もっとかんたんに。

青色会計は個人事業主向けのクラウド会計サービスです。複式簿記での記帳から青色申告決算書の作成まで、無料で始められます。

青色会計を見てみる →