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Webライター・ブロガーの仕訳例|原稿料・アフィリエイト収入の確定申告

記事執筆の原稿料、ブログのアフィリエイト報酬や広告収入など、Webライター・ブロガーには他の業種にはない収入・経費のパターンがあります。この記事では、確定申告に向けて押さえておきたい仕訳例を、収入・経費に分けて整理します。

※本記事は2026年8月時点の法令等に基づいています。

原稿料の仕訳|源泉徴収の有無で処理が変わる

源泉徴収されて入金される場合

原稿料は源泉徴収の対象とされており、支払金額が100万円以下であれば10.21%(100万円を超える部分は20.42%)の所得税等が差し引かれて入金されるのが基本です。

原稿料50,000円(源泉徴収税額5,105円、手取り44,895円)の場合:

売上計上時(納品・請求時):

借方金額貸方金額
売掛金50,000円売上50,000円

入金時(源泉税差し引き後):

借方金額貸方金額
普通預金44,895円売掛金50,000円
事業主貸5,105円

差し引かれた源泉徴収税額は、確定申告で所得税から精算されるため「事業主貸」で処理します。源泉徴収の仕組みは源泉徴収の解説記事で詳しく説明しています。

源泉徴収されずに全額入金される場合

契約内容や支払者によっては、源泉徴収されずに全額が入金されることもあります。この場合は、計上時に「売掛金 50,000円/売上 50,000円」、入金時に「普通預金 50,000円/売掛金 50,000円」と通常どおり処理します。源泉徴収の有無は自分では判断せず、契約書や支払明細で確認してください。

クラウドソーシング経由(システム手数料が引かれる場合)

クラウドソーシングサイト経由の案件では、報酬からシステム手数料が差し引かれて入金されます。このとき、入金額をそのまま売上にすると売上高が過小になってしまいます。売上は手数料を引く前の総額で計上し、手数料は「支払手数料」として経費計上します。

報酬50,000円、システム手数料11,000円(入金39,000円)の場合:

売上計上時(検収完了時):

借方金額貸方金額
売掛金50,000円売上50,000円

入金時(手数料差し引き後):

借方金額貸方金額
普通預金39,000円売掛金50,000円
支払手数料11,000円

源泉徴収がある案件では、これに加えて前述のとおり源泉分を「事業主貸」で処理します。

ブログ収入・アフィリエイト報酬の仕訳

アフィリエイト報酬の計上時期は「確定した時」

ASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダ)の報酬は、成果が承認されて報酬額が確定した時点で売上に計上します。入金された時ではありません。この「発生主義」による記帳は、55万円・65万円の青色申告特別控除の前提でもあります(現金主義の特例を選択している場合、これらの控除は受けられません)。

3月に確定報酬12,000円が発生した場合:

報酬確定時:

借方金額貸方金額
売掛金12,000円売上12,000円

入金時:

借方金額貸方金額
普通預金12,000円売掛金12,000円

最低支払額に達していない未入金分の扱い

多くのASPでは、確定報酬が一定額に達するまで振り込みが繰り越されます。たとえばA8.netでは5,000円支払方式・1,000円支払方式・キャリー・オーバー方式から選択する仕組みです。

振り込みが繰り越されていても、確定した報酬はすでに「売掛金」として計上済みなので、追加の処理は不要です。入金されるまで売掛金のまま残しておき、年をまたいだ場合も、確定した年の売上として申告します。売掛金の管理は売掛金・買掛金の解説記事を参考にしてください。

Google AdSenseなどの広告収入

ブログにアドセンス広告を貼っている場合も考え方は同じで、確定収益が通知された時点で「売掛金/売上」を計上し、入金時に消し込みます。AdSense収入の仕訳(外貨受け取りの場合を含む)はYouTuber・インフルエンサーの仕訳記事で詳しく解説しています。

Webライター・ブロガー特有の経費の仕訳

ここでは業種特有の経費を取り上げます。一般的な経費の勘定科目は経費の仕訳例まとめをご覧ください。

サーバー代・ドメイン代

ブログ運営に使うレンタルサーバー代・ドメイン代は「通信費」で処理するのが一般的です。年払い13,200円の場合:

借方金額貸方金額
通信費13,200円普通預金13,200円

有料テーマ・プラグイン

WordPressの有料テーマや有料プラグインの買い切り購入は「消耗品費」で処理できます。17,600円のテーマを購入した場合:

借方金額貸方金額
消耗品費17,600円クレジットカード(未払金)17,600円

月額・年額課金のものは「通信費」等で処理する例もあります。どの科目を使うかより、一度決めた科目を継続して使うことが大切です。

書籍・取材費

記事執筆のための書籍・雑誌・新聞の購入費は「新聞図書費」です。2,750円の書籍を購入した場合:

借方金額貸方金額
新聞図書費2,750円現金2,750円

取材のための電車代・宿泊費は「旅費交通費」、取材相手との飲食は「接待交際費」など、内容に応じて科目を分けます。

画像素材・ツールのサブスクリプション

ストックフォトサービスやアイキャッチ作成ツールなどの月額課金は「通信費」や「消耗品費」で処理します。月額3,300円の場合:

借方金額貸方金額
通信費3,300円クレジットカード(未払金)3,300円

パソコンの購入

取得価額10万円未満のパソコンは全額をその年の「消耗品費」にできます。10万円以上は原則として減価償却が必要で、パソコンの法定耐用年数は4年(サーバー用のものを除く)です。

ただし青色申告者には、取得価額30万円未満(令和8年度税制改正により、2026年4月1日以後に取得した資産は40万円未満)の資産を全額その年の経費にできる少額減価償却資産の特例があります(年間合計300万円まで)。160,000円のパソコンにこの特例を使う場合:

借方金額貸方金額
消耗品費160,000円普通預金160,000円

自宅兼事務所の家事按分

自宅で執筆している場合、インターネット回線代や家賃・電気代は、業務に必要な部分を明らかに区分できる場合に、その部分を経費にできます。按分割合は使用時間や使用面積など、実態に即した合理的な基準で決めます。

月額10,000円の光回線を事業40%で按分する場合:

借方金額貸方金額
通信費4,000円普通預金10,000円
事業主貸6,000円

按分割合に迷う場合は、税務署や税理士に相談してください。

注意点:セルフバックと支払調書

セルフバック(自己アフィリエイト)の報酬

自分でASPの案件に申し込んで報酬を受け取る「セルフバック」は、扱いの判断が分かれやすい論点です。事業の収入として扱う考え方のほか、私的な買い物への還元と見て事業とは別に整理する考え方もあり、案件の性質や状況によって結論が変わり得ます。なお、ポイントやキャンペーンで受け取る経済的利益の課税関係については、国税庁が企業発行ポイントの取扱いを示しています。セルフバックの金額が大きい場合は、税理士に相談することをおすすめします。

支払調書が届かない場合の集計

源泉徴収された原稿料について、支払調書は必ず手元に届くとは限りません。届かなくても確定申告はできます。1年分の請求書・支払明細・通帳の入金記録から、売上の総額と差し引かれた源泉徴収税額を自分で集計しましょう。日頃から売上計上時に源泉徴収税額をメモしておくと、申告時の集計が楽になります。

Webライター・ブロガー向け勘定科目まとめ

内容勘定科目備考
原稿料・記事執筆報酬売上源泉徴収分は事業主貸で処理
アフィリエイト報酬・広告収入売上確定時に計上(発生主義)
クラウドソーシングの手数料支払手数料売上は総額で計上
サーバー代・ドメイン代通信費
有料テーマ・プラグイン消耗品費継続課金は通信費等でも可
書籍・雑誌新聞図書費
取材の交通費旅費交通費
画像素材等のサブスク通信費科目は継続適用する
パソコン(10万円未満)消耗品費10万円以上は減価償却または少額特例
自宅の回線・家賃・電気代通信費・地代家賃・水道光熱費事業利用分のみ家事按分

まとめ

  • 原稿料は源泉徴収の対象。差し引かれた税額は「事業主貸」で処理し、確定申告で精算する
  • クラウドソーシング経由の報酬は、手数料を引く前の総額で売上計上し、手数料は「支払手数料」にする
  • アフィリエイト報酬は入金時ではなく確定時に売上計上する。最低支払額未達の未入金分も確定した年の売上
  • サーバー代・有料テーマ・画像素材のサブスクなど、ブログ運営の支出は科目を決めて継続的に記帳する
  • セルフバックの扱いなど判断が分かれる論点は税理士へ相談する

青色会計では、原稿料の源泉徴収やアフィリエイト報酬の売掛金管理など、Webライター・ブロガーの記帳をAIの仕訳提案でサポートしています。


本コラムは一般的な情報提供を目的としています。個別の税務判断については税理士にご相談ください。

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