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青色申告と白色申告の違い|個人事業主はどちらを選ぶべきか
確定申告には「青色申告」と「白色申告」の2種類があります。青色申告には事前の届出が必要で、節税額に大きな差が出ます。この記事では両者の違いと、個人事業主がどちらを選ぶべきかを解説します。
※本記事は2026年8月時点の法令等に基づいています。
青色申告と白色申告の主な違い
| 項目 | 青色申告(65万円控除) | 青色申告(10万円控除) | 白色申告 |
|---|---|---|---|
| 特別控除 | 65万円 | 10万円 | なし |
| 記帳方式 | 複式簿記 | 簡易簿記 | 単式簿記 |
| e-Tax申告または優良な電子帳簿保存 | いずれかが必要 | 不要 | 不要 |
| 赤字の繰越 | 3年間可能 | 3年間可能 | 不可 |
| 専従者給与 | 適正額を全額控除 | 適正額を全額控除 | 上限あり(86万円) |
| 少額減価償却 | 30万円未満(令和8年度税制改正により、2026年4月1日以後に取得した資産は40万円未満)を即時経費化 | 30万円未満(令和8年度税制改正により、2026年4月1日以後に取得した資産は40万円未満)を即時経費化 | 非対応 |
| 事前届出 | 必要 | 必要 | 不要 |
青色申告特別控除の要件の詳細は国税庁 No.2072 青色申告特別控除で確認できます。
65万円控除の節税効果
青色申告の最大のメリットは、所得から65万円を差し引ける「青色申告特別控除」です。
白色申告と比べて課税所得から65万円が差し引かれるため、所得税・住民税を合わせて税率分(例:税率15%なら約10万円)の負担が軽くなります。所得が高いほど適用される税率も上がるため、節税効果は大きくなります。
赤字の繰越控除
青色申告には「純損失の繰越控除」という制度があります(国税庁 No.2070 青色申告制度)。事業の赤字を翌年以降3年間にわたって所得から差し引ける制度です。
フリーランス開業初年度や、設備投資で費用がかさんだ年に赤字になった場合でも、翌年以降の黒字と相殺できます。白色申告ではこの繰越ができません。
専従者給与の扱い
家族に事業の手伝いをしてもらっている場合、青色申告では「青色事業専従者給与」として支払った給与の全額を経費にできます。白色申告は「専従者控除」として配偶者86万円・その他の親族50万円という上限があります(国税庁 No.2075 青色事業専従者給与と事業専従者控除)。
家族に経理や事務を手伝ってもらっているフリーランスにとって、この差は年間で数十万円になる場合があります。
白色申告のメリット
白色申告のメリットは「手続きの簡易さ」です。
- 事前の届出が不要(開業後すぐに申告できる)
- 単式簿記(収支記録だけ)でよい
- 確定申告書の作成がシンプル
ただし、白色申告でも2014年以降は帳簿の作成・保存が義務化されています(国税庁 No.2080 白色申告者の記帳・帳簿等保存制度)。「白色だから記帳しなくていい」ということはありません。
どちらを選ぶべきか
ほぼすべての個人事業主に青色申告をおすすめします。
理由は以下の通りです。
- 節税効果が大きい:年間数万円〜十数万円の差になる
- ソフトウェアで複式簿記の負担を軽減できる:青色会計のような会計ソフトを使えば、簿記の知識がなくても複式簿記で記録できる
- 赤字繰越のオプションを持てる:いざというときのリスクヘッジになる
白色申告が現実的な選択肢になるのは、「本当に副業程度で所得が少なく、手続きをできるだけ簡単にしたい」という場合に限られます。
青色申告を始めるための手続き
青色申告をするには、税務署への事前届出が必要です。
新規開業の場合
開業日から2ヶ月以内に「青色申告承認申請書」を納税地の税務署に提出します。
すでに白色申告をしている場合
その年の3月15日までに申請書を提出すると、その年分から青色申告を適用できます。3月16日以後に提出した場合は、翌年分からの適用になります(国税庁 No.2070 青色申告制度)。
申請書はe-Taxからオンラインで提出することもできます。
まとめ
| 青色申告(65万円控除) | 白色申告 | |
|---|---|---|
| 節税効果 | ◎ 大きい | × なし |
| 手続きの手間 | △ 複式簿記が必要 | ○ シンプル |
| 赤字の繰越 | ○ 3年間可能 | × 不可 |
| 向いている人 | ほぼすべての個人事業主 | 副業・所得がごく少額の人 |
会計ソフトを使えば複式簿記の負担は大幅に軽減されます。青色申告の節税メリットを活かすことをご検討ください。
本コラムは一般的な情報提供を目的としています。個別の税務判断については税理士にご相談ください。