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青色申告決算書の見方と書き方|損益計算書・貸借対照表を解説
青色申告65万円控除を受けるには、確定申告書に「青色申告決算書」を添付する必要があります。青色申告決算書は「損益計算書(1・2ページ目)」と「貸借対照表(4ページ目)」から構成されます。この記事では各書類の意味と記入内容を解説します。
※本記事は2026年8月時点の法令等に基づいています。
青色申告決算書の全体構成
青色申告決算書は4ページで構成されています(国税庁「青色申告決算書(一般用)の書き方」)。
| ページ | 内容 |
|---|---|
| 1ページ | 損益計算書(収入・経費・利益の集計) |
| 2ページ | 月別売上・仕入の内訳、給料賃金の内訳など |
| 3ページ | 減価償却費の計算、地代家賃の内訳など |
| 4ページ | 貸借対照表(資産・負債・純資産の一覧) |
65万円控除のためには損益計算書と貸借対照表の両方を作成・添付する必要があります(国税庁 No.2072 青色申告特別控除)。
損益計算書(1ページ目)
損益計算書は「1年間でいくら稼いで、いくら使い、いくら残ったか」を示す書類です。
基本的な構成
売上金額(収入金額)
− 売上原価(仕入)
= 売上総利益(粗利)
− 経費合計
= 事業所得(青色申告特別控除前)
− 青色申告特別控除額(65万円・55万円 または 10万円)
= 事業所得各項目の記入内容
売上金額:1年間の事業収入の合計。消費税を区分している場合は税抜金額。
売上原価:商品販売業・製造業の場合は仕入原価を計上します。フリーランス(サービス業)の場合は通常ゼロです。
経費の各項目:勘定科目ごとに1年間の合計を記入します。
| 損益計算書の項目 | 対応する勘定科目 |
|---|---|
| 租税公課 | 事業税、固定資産税など事業関連の税金 |
| 荷造運賃 | 梱包材、配送料 |
| 水道光熱費 | 電気・水道・ガス代 |
| 旅費交通費 | 交通費、出張費 |
| 通信費 | 電話・インターネット料金 |
| 広告宣伝費 | 広告費、販促物 |
| 接待交際費 | 取引先との飲食・贈答 |
| 損害保険料 | 損害保険・賠償保険 |
| 修繕費 | 事業用設備の修繕 |
| 消耗品費 | 10万円未満の事務用品・備品(国税庁 No.2100 減価償却のあらまし) |
| 減価償却費 | 固定資産の年間償却額 |
| 福利厚生費 | 従業員向け(一人親方は計上しない) |
| 給料賃金 | 従業員・青色事業専従者への給与 |
| 外注工賃 | 外部への業務委託費 |
| 地代家賃 | 事務所・駐車場の賃料 |
| 利子割引料 | 借入金の利息 |
| 雑費 | 上記に当てはまらない少額の経費 |
「雑費」の使い方
どの科目にも当てはまらない少額の経費は「雑費」に計上します。ただし、雑費が多すぎると税務署から内訳を確認されやすくなります。他の科目に振り分けられるものは適切な科目に振り分けましょう(雑費の割合について法令上の基準があるわけではありません)。
貸借対照表(4ページ目)
貸借対照表は「年末時点で事業にどれだけの財産があり、どれだけの負債があるか」を示す書類です。65万円控除の要件として、貸借対照表の添付が義務付けられています。
基本的な構成
【資産の部】 【負債の部】
現金・預金 未払金
売掛金 借入金
固定資産 ほか
───────────────── ─────────────────
資産合計 = 負債合計 + 純資産合計左側(資産)の合計 = 右側(負債+純資産)の合計 になるのが正しい状態です。これが「バランスシート」と呼ばれる理由です。
資産の部の主な項目
| 項目 | 記入する金額 |
|---|---|
| 現金 | 年末の手元現金残高 |
| 当座預金・普通預金 | 年末の通帳残高 |
| 売掛金 | 年末時点で未入金の売上代金 |
| 前払費用 | 翌年分を先払いした費用 |
| 棚卸資産 | 商品在庫(フリーランスは通常なし) |
| 工具器具備品 | 固定資産の帳簿価額(取得価額−累計償却額) |
負債の部の主な項目
| 項目 | 記入する金額 |
|---|---|
| 未払金 | 年末時点で未払いの経費 |
| 未払費用 | 発生しているが未払いの費用 |
| 前受金 | 受け取り済みで未完了の仕事の代金 |
| 借入金 | 事業用の借入残高 |
負債・資本の部
実際の決算書様式では、右側は「負債・資本の部」としてまとめられており、負債の各項目に続いて以下が並びます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 事業主借 | 年間のプライベートから事業への投入額 |
| 元入金 | 当年1月1日時点の純資産額。前年の元入金をベースに「+前年の青色申告特別控除前の所得−前年の事業主貸+前年の事業主借」で算出した繰越額を記入する |
| 青色申告特別控除前の所得金額 | 損益計算書から転記 |
なお、事業主貸(年間の事業からプライベートへの引出額)は負債・資本の部ではなく、資産の部(左側)の末尾に記載します。
会計ソフトを使えば自動で作成できる
複式簿記で日々の仕訳を記録していれば、損益計算書と貸借対照表は帳簿データから自動的に生成されます。
青色会計では、仕訳入力が完了した状態で「帳票」メニューから青色申告決算書をPDF出力できます。手作業で数字を転記する必要はありません。
よくある間違い
「借方・貸方を逆に仕訳していた」
仕訳の向きを間違えると、貸借対照表の左右の合計が合わなくなります。左右の合計が一致しない場合は仕訳の誤りを確認しましょう。
「プライベートの支出を経費に計上していた」
プライベートの支出が混じっていると、損益計算書の経費が過大になります。事業主貸・事業主借で処理できていたか確認しましょう。
「売掛金の計上漏れ」
年末時点で入金されていない売上は売掛金として計上する必要があります(発生主義)。請求書を発行したのに売上計上していないケースに注意しましょう。
まとめ
- 青色申告決算書は損益計算書+貸借対照表で構成
- 損益計算書:1年間の収入・経費・利益を集計したもの
- 貸借対照表:年末時点の資産・負債・純資産を一覧にしたもの
- 貸借対照表の左右の合計が一致することが正しい状態
- 複式簿記で日々の仕訳を記録していれば、どちらも自動で生成できる
本コラムは一般的な情報提供を目的としています。個別の税務判断については税理士にご相談ください。