Appearance
個人事業主の確定申告のやり方|初めてでもわかる手順と必要書類
確定申告とは、1年間(1月1日〜12月31日)の所得を計算し、納める税金(所得税)を確定させて申告・納付する手続きです。個人事業主は原則として毎年確定申告が必要です。
この記事では、確定申告の全体の流れを初めての方向けに解説します。
※本記事は2026年8月時点の法令等に基づいています。
確定申告の期間と期限
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申告対象期間 | 前年1月1日〜12月31日 |
| 申告・提出期限 | 翌年3月15日(土日祝の場合は翌営業日) |
| 確定申告分の納付期限 | 3月15日(土日祝の場合は翌営業日) |
| 振替納税を利用する場合 | 4月下旬頃(口座引き落とし) |
| 予定納税第1期 | 7月31日(土日祝の場合は翌営業日) |
| 予定納税第2期 | 11月30日(土日祝の場合は翌営業日) |
※予定納税は、予定納税基準額が15万円以上の方が対象です(国税庁 No.2040 予定納税)。対象者には6月頃に税務署から通知が届きます。
期限を過ぎると無申告加算税や延滞税が発生する場合があります(国税庁 No.2020 確定申告)。
青色申告と白色申告の選択
確定申告には「青色申告」と「白色申告」の2種類があります。
| 青色申告(65万円控除) | 白色申告 | |
|---|---|---|
| 特別控除 | 65万円 | なし |
| 記帳方式 | 複式簿記 | 単式簿記 |
| 赤字の繰越 | 3年間可能 | 不可 |
| 事前申請 | 必要 | 不要 |
所得が少なくない限り、青色申告を強くおすすめします。年間で数万〜十数万円の節税になります。詳細は「青色申告と白色申告の違い」を参照してください。
確定申告の全体の流れ
STEP 1:日々の帳簿記録(通年)
1年間を通じて、取引のたびに帳簿を記録します。領収書・請求書・通帳明細を保管し、会計ソフトに入力していきます。
日々の記帳方法については「帳簿のつけ方」を参照してください。
STEP 2:決算作業(1月)
1月に入ったら、前年分の帳簿の締め作業を行います。
- 売掛金・買掛金の残高確認
- 在庫がある場合は棚卸し
- 固定資産の減価償却費の計上
- 家事按分が必要な経費(家賃・光熱費など)の計算
STEP 3:青色申告決算書の作成
会計ソフトを使っている場合、帳簿データから損益計算書と貸借対照表(青色申告決算書)が自動生成されます。内容に誤りがないか確認します。
青色申告決算書の見方については「青色申告決算書の見方と書き方」を参照してください。
STEP 4:確定申告書の作成
国税庁の「確定申告書等作成コーナー」またはe-Taxから確定申告書を作成します。青色申告決算書の数字を転記し、各種所得控除(社会保険料・医療費・生命保険料など)を入力します。
STEP 5:申告書の提出
| 方法 | 特徴 |
|---|---|
| e-Tax(電子申告) | マイナンバーカードと、読み取り用のスマートフォンまたはICカードリーダーが必要。65万円控除の要件 |
| 郵送 | 申告書を印刷して税務署へ郵送 |
| 税務署窓口 | 申告書を直接持参 |
郵送・窓口持参で提出した場合、青色申告の特別控除は55万円まで(65万円控除にはe-Taxによる電子申告または優良な電子帳簿保存が必要)。
STEP 6:税金の納付
確定申告書に記載された納税額を3月15日までに納付します。
| 納付方法 | 内容 |
|---|---|
| 振替納税 | 事前に登録した口座から4月下旬に自動引き落とし |
| ダイレクト納付(e-Tax) | e-Taxから口座引き落としを即時または日付指定で実行 |
| クレジットカード払い | 国税庁のサイトから手続き(決済手数料あり) |
| スマホアプリ納付 | 国税スマートフォン決済専用サイトからPay払いで納付 |
| コンビニ払い | QRコードまたはバーコード付き納付書で支払い |
| 銀行・郵便局 | 窓口で納付書を使って支払い |
主な所得控除の種類
確定申告では、所得から差し引ける「所得控除」を申告することで税負担を減らせます。
| 控除の種類 | 内容 |
|---|---|
| 青色申告特別控除 | 最大65万円(複式簿記+e-Tax申告または優良な電子帳簿保存の場合) |
| 社会保険料控除 | 国民健康保険・国民年金の支払額全額 |
| 小規模企業共済等掛金控除 | 小規模企業共済・iDeCoの掛金全額 |
| 生命保険料控除 | 最大12万円(生命保険・個人年金・介護保険の合計) |
| 医療費控除 | 年間の医療費のうち10万円(総所得金額等200万円未満の場合はその5%)を超えた分 |
| 基礎控除 | 58万円〜95万円(令和7年分以後。所得金額により異なる。国税庁 No.1199 基礎控除) |
よくある間違い
「経費の領収書を捨ててしまった」
領収書がない経費は原則として計上できません。クレジットカード明細で代用できる場合もありますが、領収書は受け取ったその場で保管する習慣をつけましょう。
「プライベート口座に振り込まれた報酬を申告しなかった」
プライベート口座への入金でも、事業収入はすべて申告が必要です。税務調査で発覚すると修正申告・追徴課税の対象になります。
「e-Taxの準備を2月まで放置した」
e-Taxにはマイナンバーカードの取得とスマートフォン連携の設定が必要です。申告期間が始まってから準備すると間に合わないことがあります。前年中に準備を済ませておきましょう。
まとめ
- 確定申告の期間は毎年2月16日〜3月15日、納付期限も原則3月15日(土日祝の場合は翌営業日)
- 個人事業主は原則として毎年申告が必要
- 青色申告65万円控除には複式簿記での記帳とe-Tax申告(または優良な電子帳簿保存)が必要
- 決算作業・申告書作成・各種控除の証明書準備を1〜2月に進める
- 日々の帳簿記録が確定申告を楽にする最大のポイント
青色会計は仕訳入力から青色申告決算書の出力・確定申告書の作成までサポートします。
本コラムは一般的な情報提供を目的としています。個別の税務判断については税理士にご相談ください。