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開業届と青色申告承認申請書の出し方|フリーランス開業の手順
フリーランスとして独立したり、副業を本格化させて個人事業主になる際に必要な手続きが「開業届」の提出です。また、青色申告で確定申告するためには「青色申告承認申請書」も合わせて提出する必要があります。この記事では両書類の概要から提出手順までを解説します。
※本記事は2026年8月時点の法令等に基づいています。
開業届とは
「個人事業の開業・廃業等届出書」(通称:開業届)は、新たに事業を開始したことを税務署に知らせる書類です。
提出が必要な人:事業所得・不動産所得・山林所得を得る個人(フリーランス、自営業者など)
提出期限:事業を開始した日の属する年分の確定申告期限まで(国税庁 個人事業の開業届出・廃業届出等手続)。ただし、青色申告承認申請書には後述の期限があるため、開業届も早めに提出するのが実務的です
提出先:納税地(通常は住所地)の所轄税務署
提出しなくても罰則はありませんが、青色申告をする場合は、青色申告承認申請書を開業届と同時に提出するのが一般的です。
青色申告承認申請書とは
「所得税の青色申告承認申請書」は、青色申告制度の適用を受けるための申請書です。
提出期限(新規開業の場合):開業日から2ヶ月以内(国税庁 所得税の青色申告承認申請手続)
ただし、1月1日〜1月15日に開業した場合はその年の3月15日が期限です。
注意:この期限を過ぎると、その年の青色申告はできません。青色申告をしようとする年の3月15日までに提出が必要です。
提出方法
書類の提出には3つの方法があります。
| 方法 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 税務署の窓口に持参 | その場で受付確認できる | 税務署に行く手間がかかる |
| 郵送 | 自宅から手続きできる | 提出記録が手元に残りにくい |
| e-Tax(オンライン) | 24時間対応、受信通知が残る | マイナンバーカードなどが必要 |
なお、令和7年1月以降、税務署は提出された書類の控えに収受日付印を押さなくなったため、窓口・郵送でも控えの返送は行われません(国税庁 申告書等の控えへの収受日付印の押なつの見直し)。提出記録を残すには、e-Tax(受信通知が残ります)が確実です。
e-Taxを使うと自宅から完結できて便利です。開業届・青色申告承認申請書はe-Taxで提出できます。
開業届の書き方
開業届の主な記入項目は以下の通りです。
| 項目 | 記入内容 |
|---|---|
| 納税地 | 自宅住所(または事業所住所) |
| 氏名・生年月日 | 本名を記入 |
| 職業 | 「Webデザイナー」「プログラマー」「ライター」など具体的に |
| 屋号 | 任意。なければ空欄でよい |
| 開業日 | 実際に事業を開始した日 |
| 事業の概要 | 「Webサイトの制作・運営」など簡潔に |
| 従業員の有無 | 最初は「なし」で問題ない |
屋号について
屋号は「○○デザイン事務所」「○○制作室」のような事業の名称です。任意なので空欄でも構いません。ただし、請求書や契約書に屋号を使いたい場合は記入しておきましょう。後から変更することも可能です。
開業日について
開業日は「最初に事業収入を得た日」や「事業を開始する意思を持って活動を始めた日」など、実態に即した日付を記入します。会社員が副業で収入を得ていた場合は、最初に副業収入を得た日をさかのぼって記入することもあります。
青色申告承認申請書の書き方
| 項目 | 記入内容 |
|---|---|
| 納税地・氏名 | 開業届と同じ |
| 事業所または所得の種類 | 「事業所得」(フリーランスの多くが該当) |
| 青色申告開始年分 | 申請する年度 |
| 備付帳簿の名称 | 「仕訳帳」「総勘定元帳」など(複式簿記の場合) |
備付帳簿の欄には、つける帳簿の種類をチェックします。65万円控除を目指す場合は「仕訳帳」「総勘定元帳」にチェックを入れましょう。
開業後にやること
開業届と青色申告承認申請書を提出したら、次のステップに進みましょう。
1. 事業用の銀行口座を開設する
プライベートと事業の口座を分けることで、記帳が格段に楽になります。多くの銀行では屋号付きの口座も開設できます。
2. 帳簿のつけ方を決める
青色申告65万円控除を目指すなら、複式簿記で記帳する必要があります(国税庁 No.2072 青色申告特別控除)。青色会計のような会計ソフトを使えば、簿記の専門知識がなくても複式簿記で記帳できます。
3. 領収書・レシートを保管する
経費の証拠書類は7年間保存する義務があります(青色申告の場合。国税庁 記帳や帳簿等保存・青色申告)。開業した時点から保管習慣をつけておきましょう。電子帳簿保存法の要件を満たした形でスキャン保存することも可能です。
4. 確定申告のスケジュールを把握する
確定申告の期間は毎年2月16日〜3月15日です(土日祝の関係で前後する場合あり)。初年度は書類の収集や帳簿の整理に時間がかかることが多いため、早めに準備を始めましょう。
まとめ
| 書類 | 提出先 | 期限 |
|---|---|---|
| 開業届 | 所轄税務署 | 開業した年分の確定申告期限まで |
| 青色申告承認申請書 | 所轄税務署 | 開業から2ヶ月以内 |
青色申告承認申請書の提出期限を過ぎると、その年は白色申告しかできなくなります。開業直後に忘れずに提出しましょう。e-Taxを使えば自宅から両方の書類をまとめて提出できます。
本コラムは一般的な情報提供を目的としています。個別の税務判断については税理士にご相談ください。