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交通系IC・電子マネー(Suica・PASMO・nanaco等)の仕訳
Suica・PASMO・nanacoなどの電子マネーは、交通費だけでなくコンビニや飲食店の支払いにも広く使われています。現金と異なり「チャージ」という仕組みがあるため、仕訳のタイミングに2通りのアプローチがあります。
※本記事は2026年8月時点の法令等に基づいています。
電子マネーの仕訳:2つのアプローチ
アプローチ① チャージ時に経費計上する(簡便法)
チャージした時点で全額を経費計上する方法です。実務では最もよく使われます。
メリット:毎回の使用時に仕訳をつける必要がなく、管理が楽。
デメリット:チャージ残高が残ると、残高分は未使用なのに経費計上されてしまう(年度をまたぐ場合は調整が必要)。
アプローチ② 使用時に経費計上する(厳密法)
チャージ時は資産(前払費用または現金相当)として計上し、実際に使ったときに経費に振り替える方法です。
メリット:正確な期間対応ができる。
デメリット:使用のたびに仕訳が必要で手間がかかる。
どちらを選んでも問題ありませんが、一度決めたら年間を通じて同じ方法を使い続けることが重要です。
アプローチ①:チャージ時に経費計上する
交通費として使うSuicaへのチャージ(現金から)
3,000円を現金でSuicaにチャージした場合:
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 旅費交通費 | 3,000円 | 現金 | 3,000円 |
口座振替でチャージした場合
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 旅費交通費 | 3,000円 | 普通預金 | 3,000円 |
コンビニ・飲食などにも使う場合の按分
Suicaを電車の乗車だけでなくコンビニでの買い物にも使う場合、チャージ時に一括で「旅費交通費」として計上するのが難しくなります。この場合はアプローチ②、または用途が確定してから計上する方法が適切です。
アプローチ②:使用時に経費計上する
チャージ時の仕訳(資産計上)
3,000円チャージした場合:
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 現金(Suica残高) | 3,000円 | 現金 | 3,000円 |
「現金(Suica残高)」という補助科目を現金科目の中に作ることで管理しやすくなります。
使用時の仕訳
電車に乗って旅費交通費が230円かかった場合:
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 旅費交通費 | 230円 | 現金(Suica残高) | 230円 |
コンビニで業務用の飲み物220円を購入した場合:
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 会議費 | 220円 | 現金(Suica残高) | 220円 |
プライベート兼用のICカードの場合
事業用とプライベート用で同じSuicaを使っている場合、プライベート分を「事業主貸」で処理します。
月の乗車記録を確認し、業務用の分だけを経費計上する方法が最も正確です。
業務用の電車代が月2,500円、プライベートが500円だった場合:
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 旅費交通費 | 2,500円 | 現金(Suica残高) | 3,000円 |
| 事業主貸 | 500円 |
nanacoなど流通系電子マネーの仕訳
nanacoやWAON、楽天Edyなども基本的な処理は交通系ICと同じです。
コンビニで消耗品500円をnanacoで支払った場合:
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 消耗品費 | 500円 | 現金(nanaco残高) | 500円 |
プライベート兼用の場合は「事業主借(プライベートのお金で立替)」で処理します。
実務上のポイント
履歴の確認・保存
Suicaの利用明細は、モバイル Suica アプリや駅の券売機での履歴印字で確認できます。業務で使用した分の記録を定期的に保存しておきましょう。
年末に残高が残っている場合
アプローチ①でチャージ時に全額費用計上している場合、年末に残高が残っているとその分は翌年の経費が前払いされた状態になります。金額が少額であれば重要性の原則から問題視されないことが多いですが、残高が大きい場合は期末に「前払費用」として資産に振り替えることが望ましいです。
まとめ
| 処理方法 | チャージ時 | 使用時 |
|---|---|---|
| 簡便法 | 経費計上(旅費交通費等) | 仕訳不要 |
| 厳密法 | 資産計上(現金・前払費用) | 経費に振替 |
電子マネーを事業でよく使う場合は、ICカード専用の補助科目を作っておくと年間の集計がしやすくなります。
青色会計では電子マネーの管理を含む帳簿付けをサポートしています。
本コラムは一般的な情報提供を目的としています。個別の税務判断については税理士にご相談ください。