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個人事業主が経費にできるもの・できないもの|按分の考え方も解説
確定申告で節税効果を最大化するには、経費として計上できる支出を正しく把握することが重要です。一方で、経費にならない支出を誤って計上すると税務調査で指摘を受けることがあります。この記事では、個人事業主・フリーランスがよく迷う経費の判断基準と按分の考え方を解説します。
※本記事は2026年8月時点の法令等に基づいています。
経費になるかどうかの判断基準
経費(必要経費)として認められる支出の基本的な条件は「事業に直接関連する支出であること」です。
具体的には以下の観点で判断します。
- 事業目的があるか:その支出が収入を得るために必要だったか
- 支出の証拠があるか:領収書・レシート・請求書などで証明できるか
- 金額が適正か:社会通念上、事業の規模に照らして過大でないか
経費になるもの一覧
| 支出の種類 | 勘定科目 | 具体例 |
|---|---|---|
| 仕事用の通信費 | 通信費 | インターネット料金、電話料金、郵便料金 |
| 交通費 | 旅費交通費 | 打ち合わせへの電車・バス代、出張時の新幹線・宿泊費 |
| 取引先との飲食・贈答 | 接待交際費 | クライアントとの会食、取引先への手土産 |
| 事務用品・消耗品 | 消耗品費 | 文房具、用紙、USBメモリ、10万円未満の機材 |
| 業務関連の書籍・資料 | 新聞図書費 | 専門書、業界誌、オンライン学習サービス |
| 外注・業務委託 | 外注費 | デザイン、翻訳、エンジニアリングの発注 |
| ソフトウェア利用料 | 支払手数料 | 会計ソフト、デザインツール、クラウドサービスの月額料金 |
| 事務所・コワーキング | 地代家賃 | 事務所の賃料、コワーキングスペース利用料 |
| 損害保険・賠償保険 | 保険料 | PL保険、賠償責任保険 |
| 減価償却資産 | 減価償却費 | 10万円以上のPC・カメラ・機材(複数年で計上) |
| 振込手数料等 | 支払手数料 | 銀行振込手数料、決済サービス手数料 |
| 広告・宣伝 | 広告宣伝費 | Webサイト制作費、名刺、SNS広告 |
経費にならないもの
以下は原則として経費になりません。
| 支出の種類 | 理由 |
|---|---|
| 生命保険料 | プライベートな保障のための支出(所得控除は別途あり) |
| 健康保険料・国民年金 | 社会保険料控除として所得控除で対応 |
| 所得税・住民税 | 税金は経費にならない |
| プライベートの飲食費 | 事業目的がない支出 |
| 家族への給与(青色専従者以外) | 生計を一にする家族への給与は原則不可 |
| 罰金・反則金 | 交通違反の罰金など |
| 事業と無関係な書籍・趣味の費用 | 事業目的がない支出 |
按分が必要なケース
自宅を仕事場としている場合や、プライベートと兼用しているものは「按分」によって事業に使った割合だけを経費にできます。
家賃・光熱費の按分
自宅の一部を事業スペースとして使っている場合、使用面積の割合で按分します。
計算例:家賃10万円、部屋全体50㎡のうち仕事部屋10㎡を使用
経費にできる金額 = 100,000円 × (10㎡ ÷ 50㎡) = 20,000円仕訳は次のようになります。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 地代家賃 | 20,000円 | 事業主借 | 20,000円 |
スマートフォン・インターネット料金の按分
プライベートと兼用している場合は、**事業使用割合(時間や用途)**で按分します。一般的に50〜70%程度を事業用とするケースが多いですが、実態に基づいた合理的な割合であることが重要です。
計算例:月額6,000円のスマホ料金、事業使用割合60%
経費にできる金額 = 6,000円 × 60% = 3,600円車両の按分
事業とプライベートで車を兼用している場合は、走行距離の記録をもとに按分するのが一般的です。走行日誌をつけておくと根拠として使えます。
よくある誤解
「打ち合わせ」と称したプライベートな飲食
打ち合わせ目的の飲食費は経費になりますが、「打ち合わせだった」と主張するだけでは不十分です。相手先・目的・内容をメモや領収書の裏書きなどで記録しておきましょう。
自宅の一室まるごと経費
自宅の家賃を全額経費にすることは原則できません。按分が必要です。また、生活と仕事が明確に分離されていない場合(リビングで作業するなど)は按分の割合が下がります。
「節税になるから」という理由での購入
事業に関係のない購入を「経費のため」に行っても、事業目的がなければ経費として認められません。領収書があれば全て経費になるわけではないことに注意が必要です。
まとめ
- 経費の基本条件は「事業目的があり、証拠がある支出」
- 生命保険料・所得税・住民税・社会保険料は経費にならない(別途控除で対応)
- 自宅家賃・スマホ・車両など兼用のものは按分して事業分だけ計上
- 按分の根拠(面積・時間・走行距離)は記録しておく
青色会計では仕訳ごとに摘要を記録できるため、按分の計算根拠を残しておくのに便利です。
本コラムは一般的な情報提供を目的としています。個別の税務判断については税理士にご相談ください。