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補助金・助成金を受け取った場合の仕訳
小規模事業者持続化補助金・IT導入補助金・雇用調整助成金など、個人事業主が受け取れる補助金・助成金は多数あります。これらは原則として課税所得(事業所得)に含まれます(国税庁(名古屋国税局)文書回答事例)。仕訳は「雑収入」として処理するのが一般的です。
※本記事は2026年8月時点の法令等に基づいています。
補助金・助成金は「雑収入」として計上する
補助金・助成金は本業の売上とは性質が異なるため、「売上」ではなく「雑収入」として計上します。
入金時の仕訳
持続化補助金50万円が口座に振り込まれた場合:
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 普通預金 | 500,000円 | 雑収入 | 500,000円 |
補助金の計上タイミング
補助金の収入計上のタイミングは、**交付が確定した日(権利確定時)**が基本ですが、補助金・助成金の性質によって異なります。実際の口座入金より前に交付が確定することが多いため、以下のように処理します。
交付決定を受けた時点
50万円の補助金交付が決定した通知を受けた場合:
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 未収金 | 500,000円 | 雑収入 | 500,000円 |
口座への入金時
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 普通預金 | 500,000円 | 未収金 | 500,000円 |
金額が少額で、入金と交付決定が同年度内であれば、入金時にまとめて計上しても実務上は問題ないケースが多いです。
補助金で設備・機器を購入した場合
IT導入補助金などで設備を購入した場合、購入した設備は通常どおり資産計上または経費計上します。
補助金で30万円未満のソフトウェアを購入した場合
IT導入補助金150,000円を受け取り、会計ソフト(150,000円)を購入した場合:
補助金の入金時:
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 普通預金 | 150,000円 | 雑収入 | 150,000円 |
ソフトウェア購入時(取得価額30万円未満・青色申告の少額特例):
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 消耗品費 | 150,000円 | 普通預金 | 150,000円 |
※少額特例の対象は取得価額30万円未満の資産です(令和8年度税制改正により、2026年4月1日以後に取得した資産は40万円未満)。
補助金で固定資産を取得した場合(国庫補助金等の総収入金額不算入)
補助金で固定資産を取得した場合、「国庫補助金等の総収入金額不算入」の特例により、補助金相当額を収入に算入せず、資産の取得価額から差し引くことができます(確定申告書に明細書の添付が必要です。国税庁 No.2202 国庫補助金等の総収入金額不算入)。これにより、補助金を受け取った年の税負担を軽減できます。
注意:この特例は確定申告書への明細書の添付が要件です。高額な設備購入を伴う補助金を受け取った際は、税理士に相談することをおすすめします。
例:補助金200万円(入金済・雑収入計上済)で機械設備(300万円)を購入した場合:
設備購入時:
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 機械装置 | 3,000,000円 | 普通預金 | 3,000,000円 |
特例の処理(補助金相当額を資産の取得価額から直接減額する):
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 雑収入 | 2,000,000円 | 機械装置 | 2,000,000円 |
この処理により機械装置の帳簿価額は100万円(300万円−200万円)になり、以降はこの価額をもとに減価償却します。補助金相当額(200万円)が収入から除かれるため、補助金受取年の課税所得への影響を抑えられます。
消費税の処理
補助金・助成金は消費税の対象外(不課税取引)です(国税庁 No.6157 課税の対象とならないもの(不課税)の具体例)。消費税の申告で消費税額を計算する際、補助金収入は課税売上には含めません。
確定申告での処理
補助金・助成金は事業所得の収入に含まれるため、青色申告決算書の収入金額欄の「その他の収入(雑収入)」に記載します。
所得税・住民税・事業税の課税対象となります。補助金を受け取った年の所得が増えるため、予定納税の見直しが必要になる場合もあります。
非課税・不課税になる補助金
以下のような給付金は所得税が非課税とされる場合があります(個別に確認が必要):
- 新型コロナウイルス感染症関連の一部給付金(2020〜2022年の特例措置)
- 特別定額給付金(10万円)など
通常の補助金・助成金は課税対象と考え、受給時には税務署や税理士に確認しましょう。
よく使われる補助金・助成金の種類
| 名称 | 主な対象 |
|---|---|
| 小規模事業者持続化補助金 | 販路開拓・業務効率化 |
| IT導入補助金 | ITツール導入 |
| ものづくり補助金 | 設備投資 |
| 雇用調整助成金 | 雇用維持 |
補助上限額や補助率は公募回により異なります。最新の公募要領をご確認ください。
まとめ
| 項目 | 処理方法 |
|---|---|
| 入金時 | 普通預金 / 雑収入 |
| 交付決定時(入金前) | 未収金 / 雑収入 |
| 消費税 | 不課税(課税売上に含めない) |
| 確定申告 | 事業所得の雑収入として申告 |
| 固定資産の取得時 | 国庫補助金等の総収入金額不算入の特例を検討 |
青色会計では補助金収入を含む帳簿管理をサポートしています。
本コラムは一般的な情報提供を目的としています。個別の税務判断については税理士にご相談ください。