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個人事業主の国民健康保険・国民年金の仕訳と確定申告での処理

個人事業主は会社員のように給与から自動で社会保険料が引かれるわけではなく、自分で国民健康保険料と国民年金保険料を支払います。これらは事業の経費(損益計算書に計上する費用)にはなりませんが、確定申告で「社会保険料控除」として所得から差し引くことができます。

※本記事は2026年8月時点の法令等に基づいています。

国民健康保険料・国民年金は「経費」にならない

まず重要なポイントとして、国民健康保険料と国民年金保険料は事業経費として仕訳する科目がありません。帳簿上は「事業主貸(個人の支出)」として処理します。

これらは確定申告書の「所得控除」欄に記入することで、課税所得を減らす効果があります。経費として損益計算書に乗せるのではなく、所得控除として申告書で処理する点が会社員とは異なります。


仕訳の方法

口座振替で支払った場合

毎月の国民健康保険料25,000円が事業用口座から引き落とされた場合:

借方金額貸方金額
事業主貸25,000円普通預金25,000円

国民年金保険料を支払った場合

月額の国民年金保険料(2026年度:17,920円。毎年見直されるため、日本年金機構の最新情報を確認してください)を口座振替で支払った場合:

借方金額貸方金額
事業主貸17,920円普通預金17,920円

現金で支払った場合

コンビニ払いや納付書で現金納付した場合:

借方金額貸方金額
事業主貸25,000円現金25,000円

なぜ「事業主貸」で処理するのか

個人事業主の場合、事業のお金と個人のお金は法律上は同一人物のものです。社会保険料は「事業のコスト」ではなく「事業主個人の生活コスト」に近い位置づけのため、事業の費用として計上するのではなく「個人へお金を渡した(事業主貸)」として処理します。


確定申告での社会保険料控除

確定申告書の「所得から差し引かれる金額」欄にある**社会保険料控除**に、1年間に支払った国民健康保険料と国民年金保険料の合計額を記入します。

控除の対象となるのは:

  • 国民健康保険料(介護分を含む)
  • 国民年金保険料
  • 任意継続健康保険料
  • 家族(配偶者・子等)の分も支払った場合はその金額も含む

控除額の確認方法

国民年金:日本年金機構から毎年10月下旬〜11月上旬に「社会保険料(国民年金保険料)控除証明書」が送付されます(その年10月以降に初めて納付した場合は翌年2月上旬)。確定申告書に添付(または提示)が必要です。

国民健康保険:確定申告での証明書添付は不要で、日本年金機構のような控除証明書は原則送られてきません(自治体によっては納付額のお知らせが届きます)。1月〜12月に支払った合計額を自分で計算します。通知書や口座の引き落とし履歴から確認できます。


前払いで節税する:国民年金の前納

国民年金は2年分をまとめて前払いする「前納」制度があり、割引が受けられます(2年前納で約16,000〜17,000円の割引。2026年度の口座振替では17,370円)。

2年分を一括前払いした場合でも、その年の確定申告では実際に支払った金額の全額を社会保険料控除として申告できます(前払いした翌年以降も各年分を控除する方法との選択も可能)。


国民健康保険料の目安

国民健康保険料は前年の所得をもとに計算されるため、所得が増えると保険料も上がります。おおよその目安:

前年所得(所得控除前)国民健康保険料(目安)
100万円年間 約5〜10万円
300万円年間 約20〜30万円
500万円年間 約40〜60万円

※自治体・世帯構成・年齢によって大きく異なります。毎年6〜7月に届く「国民健康保険税(料)決定通知書」で正確な金額を確認してください。


まとめ

項目処理方法
帳簿への記帳事業主貸(経費科目は使わない)
確定申告での処理社会保険料控除として申告書に記入
国民年金の証明書日本年金機構から送付される控除証明書を添付
国民健康保険の証明書証明書なし。支払い履歴から合計額を自分で集計

青色会計では事業主貸・事業主借の処理をはじめ、個人事業主特有の帳簿記帳をサポートしています。


本コラムは一般的な情報提供を目的としています。個別の税務判断については税理士にご相談ください。

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